2009/09

プルーべェ的仕事

学生の頃、ジャン・プルーべェの講演を聴きに行った思い出があります。その頃から工業化住宅等には興味を持っていて、この特異な建築家の存在は気に掛かっていました。起業してから、工業製品で建築を創ることの意味を考え続けていますが、世の移り変わりに反応できない自身の仕事振りに、忸怩たる思いがあります。今年の春頃から、身辺に色々な新しい動きがありました。その影響でしょうか弊社も活動の領域を見直して、プルーべェと同じ手法に触手をのばして、改めて建築を巡る環境変化に直接向かい合いたい、そう考えるに至りました。私が接した新しい動きの一つに、今年の展示会で出会った多能工育成事業に挑戦されている方がいます。暫らくして弊社を尋ねて来られまして、色々な話しを聞かせていただきました。その方の見立ては、今後更に建築現場に携る職人不足が深刻化を増すことが確実なので、将来は一人の職人が多岐に渡る領域の仕事を引き受ける、建築分野の多能工職人育成が求められるとの判断です。労賃を押えることが可能で、尚且つ迅速な仕事のできる人材を、市場が求めている点に間違いは無い筈です。最近なし崩し的にこうした取組みで仕事を受注する中小建設業も増えている様子です。アイデアを聞いて、いつかTVで観た静岡/平成建設の仕事振りに近いと感じた訳ですが、彼自身、家具職人から事業を成功させたキャリアの持ち主で、平成建設とは別の視点から人材育成の重要性を感じて、今の不況期こそ新事業立ち上げのチャンスと、活動を活発化されているのでした。そこで私に浮んだアイデアは開発における多能工的視点、つまり建築を造る技術全般に関われる場を身辺に設けること、自身の解釈ではプルーベェ的仕事環境です。多能工育成と同じく、節目の時代と感じる今が、新たな仕事に挑戦する良いタイミングと考えます。幸いなことに、周囲に協力してくださる方の存在もあって、新事業:特注建具コンサルティング部門を立上げる準備を進めています。

写真解説

経営者でもあったプルーベェは、他役員の忠告を無視して開発に熱中、軋轢を生みます。彼にとっては「開発」あっての組織、組織存続の為に開発を控えることが出来なかった訳ですが、身につまされる先例です。