2006/11

林芙美子の住宅

以前から、地方出身者である関川夏央のファンで、新聞広告で眼にしていた「女流」を昨日購入して、早速読み始めました。仕事場近くにある本屋カウンター際に積んだ、出版社のタダ雑誌に掲載された頃から、連載を密かに楽しんでいたのですが、そうした雑誌を定期的に入手できる訳では無いので、読まない章が気に掛かっていました。ひどく昔、夏休みに屋久島の宿で成瀬監督の「浮雲」をビデ放映しているのを、偶然観た旅の思い出があるのですが、その内容の濃さに溜息を付いたものです。そして作家、林芙美子にも興味が湧いたのですが、何故か今だに著作を一編も読んでいません。若い頃の山口文象が芙美子の住宅に関係していたと知ってどんな住居か、機会を設けて見学に行こうと思ってます。タダ雑誌の連載中に建築家白井成一と林芙美子が、パリで恋人同士の交流として描写されていて、これには吃驚しました。自分が学生の頃受け止めていた白井成一のイメージ、それが断片に過ぎなかったと思い知った訳です。関川氏の「女流」を読むと大正から昭和、戦争直後と、少し前の日本が彷彿として浮かび上がり、ヨーロッパに憧れて旅立ったアバンギャルドな若者達の生態が、もうほとんどが鬼籍の方々ですが、現代の源の一部はこうした姿で潜んでいたのだと、感じたりもするのです。

CFA・ボイジーの住宅

林芙美子の住宅見学がまだ出来ないので、10年程前に旅行したイギリス、ロンドン郊外にあるCFA・ボイジー設計、サウスパレード14番街の住宅です。