2006/10

工業化建築への試行

中学生の頃、確か同じクラスにいた女の子を思い出しました。Kさんの家は6角形をしているとの噂があったのです。まだその頃、私は建築への道を進むなど、思いもしなかったので、特別記憶に残る事柄でも無い筈なのですが、そして大学で建築を学んでいた頃、池辺陽氏の作品中に、Kさんの家が図面と写真付きで掲載されているのに気付いたのです、そのことも思い出しました。Kさんの父上は人形劇で有名な人物であると知ったのは何時ごろだったか・・・、昔も今も、それほど六角形の住居自体に魅せられている訳ではありません。しかし、最近になってですが、乱読中毒の私が、ある植物学者が学生向けに書いた文庫本を読み進めている際に、不意に池辺氏の名前と対面したのです。植物に学ぼうとする建築家のエピソードとして記述されていました。池辺氏が存命中、著作者と交わした話ですから、20年以上も前のことに成ります。旧くはメタポリズムの話題や、現在は環境が一種の流行でもありますが、植物の生態について、当時から関心を示していた点が妙に気になり、池辺氏の本を捜し求めて、遺稿でもある「デザインの鍵」を読み始めました。練り上げた含蓄に富んだ文章を読み進めていると、高度成長以降の建築が見落としていた、ある視点の確かさに思い至ります。正に、今もそこが問題なのだと。

小さな生き物の死骸

小さな生き物の死骸、拡大して建物の構造に採用したい形状が沢山あって、どれにするか、迷ったりします。スペインの建築家、フェルナンド・イーゲラスが頭に浮びます。